君を泣かせた奴はいつか必ず

永遠に穏やかに生きたい


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記憶と魂の行方

※ただの日記です。

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お通夜の朝に撮った写真



先日、父方の祖父が亡くなりました。

とはいえあんまり暗い話をするつもりもなく、年々なにもかも記憶が曖昧になっていくので祖父とのことやお別れの記録を書いておきます。

 

祖父について

わたしはおじいちゃんっ子っていうほど、祖父と多くの時間を過ごしているわけではないのですが、振り返ると人生の分岐で祖父の言葉が影響していることは多々あります。

それをいつか祖父に伝えようと頭の片隅では思っていたけれど、涙腺よわよわ脆弱メンタルのわたしは口にしようとしただけで何故か涙が出そうになるので言えず仕舞でした。

(あと近年では顔を合わせると結婚の話をされていたので、足が遠のいているうちにコロナが流行り、老人ホームへの面会が父のみになってしまっていた)

 

好きな選択をしてよいこと

わたしが大学受験をしていた頃、父と祖父は某大学への進学を強く推奨していました。

当時わたしは父親とかなり折り合いが悪く、他の大学へ進学希望を口に出すことができず只管に勉強をしていた時、祖父から電話があり「つらい思いをしなくていいし、好きな大学に進学したらいい」と言われ電話口の祖父に気づかれないように泣いたのを覚えています。

祖父に勉強がつらいとか進学先に納得していないなどは全く話したことは無かったし、むしろその直近では会う機会さえなかったのに、電話には驚きました。

結局わたしはその電話をきっかけに「絶対じいちゃんの自慢の孫になる」と思って某大学に進学しました。

とはいえ社会人7年目になった今となると、正直どの大学を出たかはさほど大きな問題ではない気はするし完全に結果論だけど、今の選択で良かったと思っています。

 

親孝行について

大学三年の時、地元を離れて就職するべきかをかなり悩んでいました。

教授に「親孝行は金持ちになること。立派になること。」と言われており、「はたしてそうなんだろうか?」と暗雲が立ち込める日々を過ごしていました。

当時、帰省した際に祖父に会う機会があり、この時もわたしは就職の話などをしたりしていなかったのですが祖父は急にわたしに向かい「親孝行は自立して、親に顔を見せられることが親孝行。どんなに稼ぎがあっても活躍しても、会えないことはいかん」と言いました。

 

正直、なにが親孝行かは完全に人によると思います。

世の中、必ずしも家族関係が良好なわけではなし、大人になって離れることが個人を幸福にするケースは多々あります。なので、祖父の言葉は万人に適応されるわけではありません。

あと、田舎によっては帰っちゃうと自分の望んだ職種が完全に存在しないケースもあるしね。

わたしの場合は祖父の言葉で迷いがなくなって、その後すぐに地元で望んだ職場に就職を決めました。

 

いつからかわたしは祖父のことを尊敬していたいました。

高校生の時に母方の祖母のお葬式に参列した祖父の立ち姿の美しさや、祖父が家の前でツバメが鳴いていて後をついていくとツバメの巣が蛇に襲われようとしているところで蛇を遠くに運んだ話が好きすぎる。

いつかわたしもそんな人になりたい。

 

魂の行方

お通夜とお葬式で祖父の顔を見ました。

もう既に亡くなっているのにこう思うのは完全におかしな話なのですが、「じいちゃん元気そうだな」と思いました。本当になぜだかわからないけど。(死化粧のせいではないと思う)

遺体を見るのはもっと怖いと感じるかと思っていたけれど、やせ細っている顔を見た時に「ゆっくり休んでくれ~!」とどこか安心した気持ちになりました。

 

これは祖父だからそう思ったのだと思います。 

喪主である父が棺に花を入れる際に完全に足が止まっており、それが悲しくて視線を落とした先で父が手に持っている花が震えているのが堪えました。

 

わたし自身はネガティブな感情が少なかったにも関わらず、火葬場で最後の姿を見る時は信じられないほど泣いた。

マスクの中がべちゃべちゃにしてたのに、骨になった時には「遺骨ホカホカ…」とか考えてたので、人の姿をしてるかしてないかでこれほどまでに感情が左右されるものかと思いました。

 

祖父の遺骨は遺言により、祖父の母のお墓に入るそうです。

祖父の妻であるわたしの祖母も今は意識が無く、胃ろうしながらゆっくり余生を過ごしているのですが、本人の希望は祖父と同じお墓に入ることではなく、先立った息子(父の兄弟)と同じお墓に入るとのことでした。

これまで仮に死んだ後は個人がそれぞれ信じた道で成仏するだろうし、眠る場所や遺骨の在処にさほど拘る必要があるのか?と思っていたのですが、望んだ通りの葬儀や埋葬をされることで魂は行きたい場所に行けて、埋葬先は異なっても祖父と祖母は天国で会うのだろうし、残された人間のそばにも居られるのかなと思ったりしました。

 ※完全に個人の感想です

 

それはそうと祖父の遺骨は実家にあるのですが、実家でのわたしのいい加減さを見た祖父がわたしが死んだときに現れて叱るのでは…という一抹の不安が今はある。

なんだかそんな気がする。