※思いっきりネタバレします。無理な方はバックおねがいします。
※これは映画「風の谷のナウシカ」を見た感想です。漫画の内容は一切触れませんので悪しからず。
「一生に一度は、映画館でジブリを。」
をテーマに現在、ジブリから4作品が上映されています。
映画館嫌いなわたしですが、ジブリ作品は割と劇場で見ています。
「耳をすませば」、「もののけ姫」、「千と千尋の神隠し」、「借りぐらしのアリエッティ」、「コクリコ坂から」、「思い出のマーニー」は映画館で見た覚えがあります。
「耳をすませば」とか「もののけ姫」は当時、5歳とかなので親が良かれと思って連れてってくれてたのですが今となっては感謝しかない。
今回、せっかくの機会なので映画館で見る機会がなかった「風の谷のナウシカ」を見てきました。
感想の前に映画館のコロナ対策
ナウシカの感想を書く前に、映画館のコロナ対策が結構ちゃんとしていたので書いておきます。
全国の映画館が同じ対応かはわからないのですが、個人的に「あ、こういう対応してくれると比較的安心して見れるね」と思ったので、密が気になってなんとなく映画館から遠ざかっている方は参考にお近くの映画館を調べてみるといいかもです。
検温している
スクリーンに入る前に検温があり、37.5度以上ある場合、入場できません。
この検温についてはそもそも基礎体温が高い方には不利なものなのですが、一つの基準としてはわかりやすいものかなと思います。
シートが間隔を開けている
チケットを取る時点で強制的にシートが左右前後の席に人が座れないよう予約済みとして処理されていました。
連れがいた場合も、1マス空けて座るよう案内が出てます。
どうしてもスクリーン中央の席に人が密集しやすいので、両隣だけでなく前後も人がいないのは安心度が高かった。
館内ではマスクを着用
上映中も飲食する以外はマスクの着用の案内があります。
売店で売っているスナックやドリンクもかなり種類が限られていたので、何か飲み食べしながら見るというよりは、適度な水分補給ができるくらいのニュアンスの方が強いかもしれません。
ちなみにドラえもんの映画予告で泣いてしまいマスクがべちょべちょのまま過ごしました。
わたしはレイトショーを見たのですが、田舎の映画館ということもあってだいたい10人ぐらいしかお客さんがいませんでした…。
時間帯調節して見に行くのも良い手だと思います。
大人になって改めてナウシカを見る
これは本当に批判とかではなく、映画を見た単純なわたしの感情なのですが
「やっぱりわたしナウシカの話あんまり好きじゃないな」と思いました。
話が悪いとか気に食わないとか、そういうことは一切なく、ただ単純に
終始悲しくなるという心の作用にわたしが耐え切れなくなる
のであまり好きではないのです。
悲しいことが多すぎる
ペジテのお姫様
序盤で既に悲しみに暮れてしまう出来事がペジテのラステルの死です。
その前の、船を蟲が襲っているシーンがゾッとするし胸が痛むのですが、懸命に助けようとしたナウシカとその船に囚われていたラステルがすれ違うシーンが無音なんですよね。
無音、その直後爆発。胸が千切れるわ…と思うほどつらい。
ナウシカは墜落して燃え盛る船からラステルを探します。
これ実際に遭遇したら探すのつらすぎません?
さっきまで助けを求めていた同い年くらいの子が燃えているかもしれないと思うだけで、探すという行為自体かなり勇気が必要な気がするんです…。
更にラステルを見つけるも、服を開けてそっと閉めるナウシカ。
何を見たのか?は色々推測されていますが、暴行されていたか病や怪我があっただと思っています。
そんな悲しいことある???ただでさえ、囚われていて墜落した上、若い女の子の体が目を背けたくなるような状態になっているってむごすぎる。
もうこの時点でわたしの心は真っ黒です。
ジルの殺害
個人的に、戦争の惨たらしさの前に、かなり心が暗くなる出来事がナウシカの父君が殺されることです。
殺さなくてもよくない???って思っちゃうんですよね…。
危険を察知して血相を欠いて向かうナウシカが見るのは既に射殺された父親なのはかなりショッキングです。
父君が殺されたのは武器を所持していたからなのですが、もうベッドにいる人が剣を持っていたところで攻撃力はさほど高くないことわかるだろ…と思う。
そこで話し合いではなく即座に「反逆だ」と判断するところがトルメキアの無慈悲さの表れなのかも。
けどさー、ナウシカは父親を亡くすんだよ。悲しすぎるよ。
その怒りでナウシカ自身もトルメキアの兵を何人も殺してしまい、自分のやっていることがトルメキアと変わりないと気づく姿がめちゃくちゃに悲しい。
そんなことはしたくないのに、そうなってしまったという。
個人的にこのシーンは映画の最後まで引きずります。
ラストシーンでみんなが「奇跡だー!」って喜んで笑顔なんですが、わたしの中では「でもここで笑顔のナウシカは身内である父君を亡くしてしまっているんだ…」と思い、よかったねとは全然思えないのです。
人は最低だが自分もそうだ
とにかく人間が最低すぎる…。
これ割ともののけ姫見てても同じ感想になるんですよね。
自然を破壊し、蟲を傷つけ、自分たちと異なる人間と争い、力で解決しようとする。
でも実際にわたし自身、それを批判できる身分かと言われるとそうではない。
自分に危害が及びそうなものには攻撃することもあるし、自分を守るためと相手を憎む経験もある。
トルメキアの船が墜落したときに、生きている蟲が怒って仲間を呼ぼうとします。
それを見た人々は蟲を殺すことを考えるんですが、ナウシカはそれを制止し蟲を森に返します。
いや、わたしだったら村の人と同じこと思うよ。仕方ない何とか一発で殺そう!ってなると思う…。
実際、ナウシカはある種「特別」だから蟲を返すことができたけど、大体の人は特別な能力があるわけでもなく、どんな時も聡明で優しくあることは難しいのでは…と思います。
結局、わたし自身も作中の「こいつら最低だな!」って思う人間となんら変わらないのです。
トルメキアに勝つためにペジテは王蟲を利用します。
囮のために金具を撃ち込まれ体液をだらだら流す小さい王蟲を見て「よくこんな惨たらしいこと思いつくな…」と思うのですが、自分たちが生き残る術を考えた時にこの行動をすることは大人になった今見ると「わからなくもない」のです。
それを改めてありありと感じるナウシカ鑑賞になりました。
その他に思ったことあれこれ
連れが「リマスターとかではないからやっぱり映像はちょっと綺麗ではなかったね」と言っていたのですが、個人的には全く気になりませんでした。
むしろ、1984年に作成されたこの手書きアニメが2020年の映画館の大画面で上映しても充分迫力もあるしすごいと思ったよ。
割と映画を見るセンスがない方なのですが、楽しみ方は意図を汲み取ることだけや深い考察をすることだけではないと思いました。
単純にその作品を見て「心が動いたか」「何を見て何を思ったか」が重要な気がしたので、終始、悲しい気持ちになった映画鑑賞はある意味、正解だったんだろうと思います。
まだ上映がやっているうちに今度はもののけ姫を見に行きたいです。
わたしはエボシ御前が好きなんじゃ。